現代社會が、より快適に、便利に、高度化するにつれ、金屬資源はますます重要度を増しています。日本はかつて銀や銅の世界有數の産出國でしたが、資源の枯渇あるいは為替の変動相場制への移行、人件費や環境対策費の上昇等により採算がとれなくなったため、閉山が相次ぎ、現在、日本の金屬鉱山において商業ベースで大規模操業が行われているのは、菱刈金山(鹿児島県)のみとなり、わが國は必要な金屬資源のほぼ全量を海外に依存する狀況となっています。
金屬資源は、生産?消費量、埋蔵量の比較的大きな銅?亜鉛?鉛?アルミニウムなどのベースメタル、生産が特定少數國に偏っていたり、埋蔵量が少ない(地質學的には大きいが経済的に採掘可能な量が小さい鉱種も含まれます)ニッケルやクロム、コバルトなどのレアメタル及び金?銀?PGMからなる貴金屬に大きく分けられます。
ベースメタルは電線や各種ケーブル、メッキなどに利用され、レアメタルや貴金屬は様々な特性から、自動車?住宅、電気?電子、航空?宇宙の幅広い分野で使われるほか、超伝導材料や形狀記憶合金、水素吸蔵合金として、IT関連分野や環境保全などハイテク分野に利用されています。
日本の金屬消費量は世界全體の消費量に対して、ベースメタルである銅は4%、亜鉛は3%、鉛は2%、またレアメタルであるニッケルは9%、モリブデンは15%、貴金屬のプラチナは17%を占め、世界でも有數の金屬消費大國です。特にレアメタル類は今後も消費量が伸びることが予想され、日本のハイテク産業への安定供給を確保するには、技術や資金提供による産出國との関係強化、さらに地道な探鉱?開発が不可欠と考えられます。
日本の金屬資源主要輸入先(2016年)
レアメタルの用途(自動車の例)